声優養成所

声優養成所と専門学校、声優の仕事に就くための卒業後の進路は?

声優養成所、専門学校

声優養成所や専門学校で勉強しても、卒業後はどうやって仕事をもらっていけばいいのかわからないですよね?

事務所に所属するのか? 何か他の方法があるのか? オーディションはあるの?
など、疑問や不安がたくさん出てくると思います。

実際に声優養成所や専門学校を卒業した人の進路はどうなっているのでしょうか?

ここでは、声優になるための進路に不安を持つ方へ向けて、卒業後の進路を詳しく解説していきます。

声優として仕事をするにはどうしたらいいの?

養成所や専門学校を卒業後に声優として仕事をするためには
所属するプロダクション(事務所)を決めるのが一般的です。

なぜなら、制作会社は映画やアニメの声優を探すとき、声優プロダクションを通すことが一般的だからです。
逆に言えば、プロダクションに所属していないと声優の仕事の情報はほとんど入ってこないのです。

声優志望者
声優志望者
制作会社はどうやって声優を決めているの?
関係者
関係者
役別のオーディションを開いたり、プロダクションに問い合わせたりして決めているね。
声優志望者
声優志望者
それなら、オーディションに合格すればいいから、
プロダクションに所属しなくてもいいんじゃないですか?
関係者
関係者
いや、ほとんどのオーディションはプロダクションにしか開催の情報を出さないから
プロダクションに所属しないとオーディションを受けることもできないのです。

だれでも応募できる公開オーディションも最近多くなってきましたが
応募者が多数に上るため勝ち抜くのは、至難の業です。

もちろん、実際に役を勝ち取る人はいます。
公開オーディションに挑戦することはとてもプラスになりますが、
2つ注意点があります。

  1. 一般公募とは名ばかりの出来レースもある
    公開オーディションを開催し、話題作りをしたうえで受賞者が
    決まっている出来レースもいまだにあるといわれています。
  2. 完全な詐欺オーディションにも注意
    始めから実態のないオーディションを開催し、合格者に
    「キミはこのレッスン(有料)をうけないと仕事はできない。」
    といって、高額のお金をだまし取ったりします。

プロダクションに所属することは、声優として活動するための最も重要なステップです。

先ずは、声優プロダクション所属を目指しましょう。

声優プロダクションってどうすれば所属できる?

声優プロダクションに所属するにはプロダクション主催のオーディションに
合格しなければいけません。

「あれ?またオーディション?」と思われたでしょうか?
実は声優業界では大きく分けて2つのオーディションがあります。

  1. 作品に出演するためのオーディション⇒合格すれば声優として作品に出演できます。
  2. プロダクション、養成所に所属するためのオーディション⇒合格すればプロダクションや養成所に所属できます。

受けたいオーディションを調べたいときはどちらのオーディションなのかを
意識して探しましょう。

プロダクションの所属オーディションを受けるには3つの入り口があります。

  1. プロダクションが運営する養成所から
  2. 声優の専門学校から
  3. 一般公募から

所属オーディションの受験資格はそれぞれの募集要項で確認する必要がありますが
①プロダクションが運営する養成所からプロダクションに所属するのが一般的です。

声優志望者
声優志望者
それじゃ声優になりたかったら養成所一択じゃないの?
関係者
関係者
もちろんプロダクションに入る確率が高いことは養成所に入る大きなメリットだけど、ほかにも考えないといけないことがありますよ。

声優プロダクションに所属されると、はじめは預かり所属という扱いです。

預かり所属の期間は最長でも3年で、どんなに長くてもその期間以内に正所属になれなければマネージメント契約は打ち切りとなります。

声優プロダクションの所属オーディションに参加するためは、声優専門学校や養成所に
在籍することが有効です。

次は、専門学校と養成所では卒業後、どのような違いがあるのか説明していきます。

専門学校と養成所の卒業後の進路の違い

専門学校学校と養成所は卒業後の進路が少し違っていきます。

専門学校を卒業後の進路

専門学校を卒業したあとは、以下3つの進路が考えられます。

①プロダクションの所属オーディションを受ける

所属オーディションを受けて合格すれば、プロダクションに所属となります。

卒業前、2月、3月に複数の声優プロダクションを招いての合同オーディションを行う学校もあります。

専門学校からなら、通常どこのプロダクションの所属オーディションでも受けることができます。これこそが声優専門学校に入る最も大きなメリットといえるかもしれません。

なぜなら、以下の2点を満たすのは声優専門学校だけだからです。

  1. 所属オーディションの情報が集まる基本的にプロダクションの所属オーディションは一般に公開されないため専門学校や養成所に所属していないとなかなか情報が入ってこない。
  2. 複数の所属オーディションを受けることができる養成所では基本的に運営元のプロダクション以外はオーディションに参加できない。

※ただし、養成所によってはオーディション参加可能なグループ事務所が
複数あったり、他の事務所のオーディションを受けることを禁止しなく
なったりと多様化しているので気になる養成所には直接確認しましょう。

ここで合格し、プロダクションに所属できる人はわずかですが、まずはここを目指したいですね。

直接所属とならなくても、プロダクションが運営する養成所への入所であれば認められることもあります。
特待生として入所できれば、レッスン費用が免除されたり、はじめから上級のクラスに入れるなどのメリットが得られます。

②養成所の入所オーディションを受ける

それぞれのプロダクションが運営する養成所の入所オーディションに合格すれば、養成所で声優のレッスンを受けることができます。
しっかり技術を磨いて、プロダクション所属を目指します。

③劇団に所属する

声優を目指すのであれば劇団に所属するのも一つの選択肢です。
その場合、声優の方が所属している劇団を選ぶのも一つの方法です。

声優の方が所属している劇団は声優の業界とつながっていることもあり、声優の仕事の情報が入ってくることがあります。

劇団に所属しながら養成所の所属オーディションを受け続ける道もあります。

養成所を卒業後の進路

養成所を卒業したあとでは、以下3つの進路が考えられます。

①プロダクションの所属オーディションを受ける

所属オーディションを受けて合格すれば、プロダクションに所属となります。

前にも話したように、専門学校と違って受けることができるプロダクションは自分が所属している養成所の運営元(グループ事務所を含む)のプロダクションだけになります。

養成所のメリットは何と言っても、運営元のプロダクションに最も近い育成機関であるということです。

他の育成機関では、所属オーディションを受けるとき以外でプロダクションの関係者に知ってもらうチャンスは限られます。

しかし、プロダクション運営の養成所であれば、事務所の目に留まる可能性は大きいといえます。
有望な人材であれば、所属オーディションを受ける前からプロダクションの関係者に知られていることもあるでしょう。

日々のレッスンから、自分は常にみられているという緊張感をもって取り組めば、きっとプラスになるはずです。

また、養成所によって在籍できる期間は決まっているため、
在籍期間を過ぎれば退所しなければなりません。

在籍できる期間は養成所によってさまざまで半年~6年と幅があります。

②別の養成所の入所オーディションを受ける

上記のように養成所には在籍できる期間が決まっているため、在籍期間を過ぎても
養成所でレッスンを受けたい場合は別の養成所に入所することになります。

プロダクションによって仕事を受けるのに得意なジャンルがあります。

アニメ、洋楽の吹き替え、ナレーションなど、声優が関わる仕事のジャンルは様々です。

自分が得意なジャンルが一致するプロダクションが運営する養成所を選ぶことが成功の近道です。

③劇団に所属する

声優になるために身につけた技術と知識は劇団に入って活かすことができます。
俳優など演技活動が続けられます。

声優志望者
声優志望者
専門学校も養成所も卒業後の進路は似ているところもありますね。
関係者
関係者
明確に違うのは、卒業までに受けることのできるプロダクションの幅です。
関係者
関係者
入りたいプロダクションが決まっていれば傘下の養成所、
決まっていなければ専門学校というのも一つの判断基準になります。

専門学校と養成所でどちらがいいのかは人それぞれです。
自分の置かれている状況をよく見極めて進路を検討しましょう。

人気声優さんはどうやって声優に?

ところで、今人気の声優の方々はどうやって声優になれたのか気になりませんか?

最新版の声優ランキングで男女別トップ10の方々の
声優になるまでの経歴を調べてみました。

男女別人気声優トップ10の経歴

ここでは、今もっとも人気のある声優トップ10の方々の経歴について、男性声優と女性声優に分けてご紹介します。

まずは、男性人気声優トップ10の経歴から紹介します。

男性声優トップ10の経歴
  • 声優プロダクションの3か月のワークショップ(体験レッスン)を受けたのちそのプロダクションの所属オーディションに合格
  • 子ども時代から劇団に所属、芸能活動を続けて
    高校3年で役別オーディションを受け合格、声優としてもデビュー
  • 俳優養成所だと勘違いして声優養成所に入所、そのままプロダクションの所属オーディションを受けて合格
  • 一般公開のプロダクション所属オーディションを受け、特待生として養成所に入所して所属オーディションを経てプロダクションに所属
  • 劇団養成所から劇団に入り、声優の役別オーディションを受け合格
  • 専門学校から養成所を経て声優プロダクションの所属オーディションを受けて合格
  • 大学の演劇学科で学び、養成所に所属中、役別オーディションに合格し、声優デビュー
  • 総合専門学校の声優・演劇科に通いながら養成所に入所し、
    その後プロダクションに所属
  • 高校で演劇部に在籍し、養成所に入り声優プロダクションの
    所属オーディションを受けて合格
  • 高校卒業後、養成所に入所してプロダクションに所属、その後
    独立して自らがプロダクションを立ち上げる。

次に女性の人気声優トップ10の経歴を紹介します。

女性トップ10の経歴
  • 子役事務所で芸能活動を続けるなか声優の仕事も受け、
    その後声優プロダクションに移籍
  • 一般公開の新人オーディションに合格して、声優デビュー
  • 養成所(ジュニア)に中学一年生で入所して、中学卒業時にプロダクションに所属
  • 養成所に入所して、その後声優プロダクションに所属
  • 劇団に所属して、声優プロダクションの所属オーディションを受けて合格
  • モデルとしてスカウトされ、芸能プロダクションに入り芸能活動をして声優としてデビュー
  • 4歳で芸能界入り、小学5年生のとき役別オーディションを受けて声優デビュー
  • 一般公開のプロダクションの所属オーディションに合格して、高校在学中から声優デビュー
  • 養成所に在籍時に声優デビューして、その後プロダクションに所属
  • 上京して養成所に入所、その後プロダクションに所属

こうしてまとめてみると、トップ声優の方々はさまざまな経歴をお持ちです。

まさに十人十色ですね。

人気声優の進路を分類すると?

それでは、今回のテーマである卒業後の進路に沿って分類するとこうなります。

  1. 養成所からプロダクションに所属            40%
  2. 直接、一般公開オーディションからプロダクションに所属 20%
  3. 幼少期から芸能活動をして声優になった         15%
  4. 専門学校から養成所を経てプロダクションに所属     10%
  5. 劇団で声優の役別オーディションに合格         10%
  6. スカウトから芸能プロダクションに入り、声優になった   5%

こうしてみると、まず養成所に入った方が40%と高い確率ですね。

その次に、一般公開オーディションで直接プロダクションに所属している方が
20%もおられます。

専門学校と劇団に入った方は、それぞれ10%でした

結局のところ、進路についてどのような選択をしても声優になれる可能性はあるといえます。 どんな選択をしても自分の信じる道を進めば成功する可能性があることを人気声優さんは教えてくれたのではないでしょうか?

まとめ

今回のお話は以下の通りです。

  • 声優として仕事をするなら声優プロダクション(事務所)に所属する。
  • プロダクションに所属するためには所属オーディションに合格しなければいけない。
  • 専門学校を卒業後、養成所へ入所する人も多い。
  • 専門学校は卒業後、大学に編入することもできる。
  • 養成所からプロダクションへ所属するのが一般的
  • 養成所は在籍期間が終われば別の養成所に入らなければならない。
  • どちらも卒業後、劇団に入る選択肢もある。
  • 成功した声優さんはいろいろな経歴がある
声優志望者
声優志望者
私はどこのプロダクションに行きたいか
まだ決めたくないから専門学校がいい!
声優志望者
声優志望者
私は行きたいプロダクションに最短距離で入りたいから養成所!
関係者
関係者
そうだね、養成所と専門学校、どちらが合っているかは人それぞれです。
今回のように卒業後の進路から考えてみるのも一つの方法ですね。

養成所と専門学校、卒業後の進路を具体的にイメージすることで、声優になるまでの道が見えてくることもあります。

どちらの方が自分に向いていると感じられたでしょうか?
この記事が参考になればうれしいです。